外壁塗装価格の基礎知識

「塗替え費用ってどれく らいかかるの?」 「見積もりをとったけど、値段の相場がわからない」などといった疑 問をお持ちの方は少なくないのではないでしょうか。ここでは、塗り替えに費用に関する基礎についてご説明していきます。人物

見積り価格の構成

塗替えに関する価格構成を図にしてみると、以下のようになります。価格構造自体はコンビニで缶コーヒーを買うのと同じと いうことがわかります。価格構成

しかし、実際に見積もりを とってみると、業者によって数万円から数十万の差がでてくるのはなぜでしょうか?少しわかりや すく缶コーヒーで説明する と・・・。コーヒー価格構造

缶コーヒーも売り手の利益の取り方や原材料の質によって大きく差が出ているのがわかります。10円〜20円程度と価格差 が小さいように見 えますが、 塗装工事の場合100万円前後の工事費用であれば数十万円の差が出てくるのは当然といえます。

今度は塗り替え工事における業者毎の価格構造について見てみましょう。業界価格構成

上図を見てわかるのは、塗装会社は下請けを使わずに施工出来る為、同じ塗料の質と職人の腕であるにも かかわらず他社より安い金額で施工できるということが わかります。なお、表の一番右は価格競争の結果、適正価格を下 回って受注した建設会社の例です。人物これを見ると、見積もり 価格を下げた分、利益は一定額確保 するものの、赤字で工事は出来ないために、塗料の質を落としたり、工事工程を省いたりという結果を招くことになります。
このように塗替えにおける見積価 格は見積る業者によって違いが出るという事と、あまりに安すぎる見積りには落とし穴があるという事がいえます。

塗料のグレード

塗料のグレードを簡単に言うと、高価な順から@ フッ素樹脂塗料 Aシリコン樹脂塗料 Bウレタ ン樹脂塗料 Cアクリル樹脂塗料とに分かれます。
では塗替えるならどのグレードの塗料が良いのでしょうか?人物
一般的に塗り替えに使用される塗 料は、シリコ ンかウレタン樹脂です。これが一番お買い得と言って よいでしょう。グレードの違いはすなわち耐久性の違いになりますが、シリコンかウレタン樹脂であれば、10年前後の定期的な塗り替えで十分 間に合います。 また、フッ素樹脂塗料はその耐久性が15年以上とも言われていますが、まだまだ実績が少なく高価な為、おすすめしていないというのが現状です。(フッ素樹 脂塗料を勧める業者もいますが、15年保証してくれるかというとそういうわけではない事が逆に証明していますね)

外壁の面積

見積価格の構成のところで説明した材料費は、当然使う面積が大きくなるほど費用もかかります。通常見積もりは塗料の単価 に塗装面積を掛けて算出 していますが、塗装面積は見積もりを作成する前に現地調査による実測値で算出します。
ところが業者によっては延べ床面積で○○万円など塗装面とはちがう場 所 の面積で値段を出している業者もあります。
こうした業者はなぜ実際に塗装しない部分の面積で見積もりが出せるのでしょうか?
それは過去の塗替え実績の平均値をだして「この床面積なら○○万円」という近似値で算出しているからです。近似値で値段を出されたらたまらないと 思いますが、こうした値段の出し方をしている業者は簡単に価格がわかる事を利用しチラシやホームページから消費者に「どこよりも安い!」「業界最安値!」 と謳って、まだ他社の見積り額がわからない消費者を洗脳しているのです。人物
そこで、激安を売り文句にしている業者のチラシやホーム ページの価格表がどれくらい安いのかを検証してみました。
以前私が塗装会社で工事した実際のお宅で各社の価格を検証すると・・・
建物:縦14.4m×横3.6mの2階建。外壁面積実測値177 u 屋根面積実測値68.5u

ホームページA社の場合

この会社は総床面積に坪単価をかけて算出する方法。使用塗料はセラミックシリコン樹脂塗料で坪単価は16,000円また 工事工程は足場→高圧洗浄→ 下塗り1回→上塗り2回 と他各部塗装込の値段と記載。
14.4m×3.6m×2階=103.7u=31.4坪 31.4坪×16,000円=502,400円
※屋根塗装については記載がないので、弊社が実施したシリコン塗装143,000円としておきます。
502,400+ 143,000=645,400円
どこよりも安い値段!と書いてある割にはそれなりに普通の値段になっています。人物

ホームページB社の場合

このHPでは総床面積を入力すると価格がでる仕組み。外壁に31.4坪と記載し、外壁・屋根ともシリコン使用で、雨樋・ 破風等も塗装にチェックし算 出してみた。その結果、値引き込で990,000円。※ 工事工程については記載されていないため不明 ですが、おそらくA社同様と思われます。
格安を全面に出してはないようですので、ちょっと高目の価格ですね。人物

ホームページC社の場合

この業者は床面積ごとの価格例をいくつか記載してある。使用塗料はウレタン塗りとしか記載されていない。すべて「コミコミ価格」という設定で30坪 =450,000円
でしたので、31坪で計算すると=465,000円
※ただし屋根塗装とは一言も書いていないので、弊社が実施したシリコン塗装143,000円としておきます。
465,000円+ 143,000円=608,000円
一見安いように見えますが、塗料がウレタンです。シリコンだと1.2倍くらい高くなるので、もう少し高めの設定になります。また、見積書の画像が HPに載っていましたが、項目が少なくおおざっぱでした。外壁以外の塗装箇所(破風や雨樋、幕板、水切り、軒天等々)はたくさんあるのに「部分塗装一式」 と記載し、どこを塗ってどこを塗らないのか?がさっぱりわからない見積りでした。人物

私がいた塗装会社の場合

外壁・屋根はシリコン、その他はウレタンを使用し塗装。
足場→高圧洗浄→下塗1回→上塗2回とどの業者もやっている当り前の工程を実施。
工事価格600,000円
決して安さで勝負していた訳ではありませんが、実際はこうした値段でできるのです。
以上のように、格安をうたっている業者も実際の工事価格は他の塗装会社と変わらないということになりますね。これらの会社は決して騙しているわけで はないと思いますが、ちょっと大げさに表現していると思います。
格安の工事価格を売り文句にし ていても、実際はそれほど安くないと思っていいですね。つまり同じ塗装会社なら「安い」を売りにしている業者より、腕の良い会社に頼む方が 良い事になりますね。人物

職人の手間

工事価格ばかりに目が行きがちな塗り替え工事ですが、実際はこの職人の手間(腕の良し悪し)が価格を割安に感じさせるポ イントになります。職人の腕 はすなわち経験年数に比例してきます(例外もありますが)
職人の経験年数については見積り時に確認しておいた方がよいでしょう。また、それで不安なようなら、過去に塗り替えをした家を教えても らい見に行くのも良いでしょう。人物

その他の費用

諸費用とは廃棄物の処理費用や資材運搬費、近隣の養生費など、工事工程には直接関係のない項目になります。業者によって は諸経費項目を請求していな いところもあるようですが、実際には経費がかかっている為、塗装工事の中に上乗せされていると思って間違いありません。(経費計上を考えて いない業者は経 営者としていかがなものかと思います)
また、諸経費を項目として見積りに記載せず、請求時に上乗せする悪徳業者もいるようです。弊社は見積もりに必ず経費項目も(微々たる額ですが)計上 し価格をだしています。請求しないからお得という考えより、項目として計上してくれているから安心という発想の方が良いと思います。また結果として見積り 価格に差がなければ経費項目はあった方がいいですよね。人物

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